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EP『TML 0.5』について
今回リリースのEPは今後リリース予定のアルバムの半分を先行配信という形をとっているようですが、これは何か意図があるんでしょうか？
元々13曲ぐらいあったんですけど、もうちょっと練りたくて(笑)でもタイトル曲の『HIGH feat. FARMHOUSE』出来上がってからFARM君と「これ絶対夏っすよね！」「夏に聴いてほしい」ってなって。他にも夏らしいビートを使ったものが多くあったんで、じゃあそこ半分だけ先にリリースしちゃおうかってなったんです。もう9月なんですけどね！(笑)
確かにトレンドを押さえたロックテイストの疾走感が爽やかに感じられ、SKOLORさんの特徴的な声も活きていてとても夏らしい1曲ですよね。ご自分で特に気に入っているバースはどこですか？
自分のバースだと、やっぱりサビのメロディラインが綺麗で特に気に入っています。昔は自分の声ってちょっとコンプレックスだったんですけど、確かに今は特徴的で活かせてるんじゃないかと思ってます。
あと「スーパーサイヤ」とも歌詞で言ってるので、ドラゴンボールとか使って欲しいです…日本のアニメも好きなんで、そういうコネ欲しいです(笑)
あとFARMくんの「キシリトール」って言ってるところめっちゃおもろいなーと思いました。
最初「これ英語やろな」って気にしてなかったけど、字幕入れる作業してて「キシリトールって何？これやばいな」って。歯にいいやつですよね、韓国だとそれキシリトールって言わないんですよ。こういうことをいい感じに言えるのアツいなって思いました。
タイトル曲はもちろんイチオシだとは思うのですが、EP内で他にもファンの皆さんに注目して欲しい曲はありますか？
D-Hackとの『D D R 2 0 2 2 feat.D-Hack』も気に入っていますね。これは来月くらいを目処に、EPリリース後ですがMVを撮る予定でいます！
ラッパーSKOLORから見た、韓国と日本を繋ぐ仲間たち
D-Hackさんは韓国拠点で活動する韓国人ラッパーで、最近も『OHAYO MY NIGHT』が2年前の曲にも関わらず逆走してチャートインしていましたね。今後お二人で日本で活動することを見込んでいたりするんでしょうか？動向が気になるKHIPHOPファンもいると思います。
彼自身は昔から日本語のリリックを使用していたし、日本で活動したがってますね。最近だとまさに『OHAYO MY NIGHT』で韓国の日本好きの子たちにウケて、そこからTikTokでバズった経緯で順調に韓国で音楽活動してます。
それは日本のKHIPHOPファンにも是非たくさん聴いて欲しいですね。
今SKOLORさん自身が特にPICK UPしたいアーティストや楽曲はありますか？
今回『NEWW』に参加してくれたawasetsu monaくんの曲は個人の曲もかっこいいので是非聴いてみて欲しいです。
韓国だと、RAUDIというプロデューサーの曲はどれもかっこいいです。最近だと、Ash-B『 Girls Back Home (Feat. Lee younji)』のプロデュースもしていました。彼自身もラップもしていますし、面白いアーティストだと思います。
今回のEPがアルバム完全体となってリリースされる訳ですが、アルバムの情報も今お聞きできますか？今回の客演もとても豪華だったので気になります！
アルバムに入れる予定の曲だと、ASIAN PIRATESでタッグを組んでいたRAU DEFさんとのR&Bテイストの曲がとてもかっこよく仕上がっていると思います。
来月出すとある日本人ラッパーとの曲も楽しみにしていて欲しいです。そちらは映像も撮りたいなと思っています。
最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
ここ数年は色んなことがあって自分もみんなもモヤモヤする事が沢山あったと思うけど、今までもずっと聴いてくれてありがとう。もうコロナが終わるのも近いと思うので、次は現場で一緒に盛り上がりましょう！
韓国人でありながら日本語で日本のシーンで活動するにあたって、SKOLORの苦労は計り知れない。それは言語や文化の観点での難しさではなく、「俺の友達は俺の横へ」「今日は帰って彼女に電話」など、自分と支えてくれる周りの人々の明るい未来や楽しい時間を願うリリックが多い楽曲スタイルからも見てとれる。コロナ禍に至っては、より一層物理的な遠さやボーダレスな活動特有の孤独感も強く感じる事があったかもしれない。「みんな2年も失くした」などのリリックも踏まえ、コロナの不自由さをリリックに綴る事もあったが、彼は常に周りの人達を思って歌ってきた。
SKOLORは本インタビューで、「SNSがあったから巡り会えた出会いも勿論あったが、それがコロナでSNSが発達したおかげとは言い切れない。自分もみんなもリアルで会うということをずっと我慢してきたから、決して良かったこととは言えない。」とも語っていた。段々と規制が緩和されつつある現在、SKOLORと仲間たちやファンには一度きりの人生で共に過ごすはずだった失くした時間を取り戻すチャンスがある。その時にはきっと我々を、誰も追いつけない、まだ知らない未来へ連れて行ってくれるはずだ。
