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2021年3月リリースしたおすすめ韓国HIPHOPまとめ
3月もあっという間に終わって、春休みで時間ができたからたくさん曲がディグれた!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
3月もKHIPHOPヘッズの中ではやっぱり高等ラッパー4が特に盛り上がりを見せていますよね。勿論今回も高等ラッパーの情報も織り交ぜながら、ライターたちのお気に入りの3月リリース曲をご紹介していきます。
2021年3月リリースされたK-HIPHOP曲
JUSTHIS(ジャスディス) & Paloalto(パロアルト) 『4 the Youth Freestyle』
再評価の連続で孤独な人生。混沌とした中でも幸いなことにpop no pills , 4 the youth.
JUSTHIS(ジャスディス) とPaloalto(パロアルト) の『4 the Youth Freestyle』は、3月28日にリリースされました。こちらの楽曲は、3年前の3月23日に彼らがリリースしたアルバム『4 the Youth』の3周年記念曲となっています。Indigo MusicとHI-LITE RECORDの大物同士のコラボとあって、アルバム内にはSwervyや Kid Milli、Huckleberry Pなどそれぞれのレーベルからたくさんのラッパーが参加しています。これはぜひアルバム丸ごと1曲目からシャッフル再生せずにお聴きください!
トラックはキムテサンが担当。彼はhiphopメインストリームだけでなく、ボーイズグループEXOのラッパーであるチャニョルとセフンのユニットEXO-SCの楽曲なども手掛けた経歴があります。
사이먼 도미닉 (Simon Dominic)『Party Forever』
パーティーは永遠に。俺は一人でいるのが嫌いだし、それとうるさくするのも好きじゃない。
Simon Dominic (サイモンドミニク)の『Party Forever』は、3月9日リリースされました。こちらの楽曲はサムディ本人の誕生日に合わせてリリースされた曲で、「my party forever」など誕生日を彷彿とさせるハッピーなフックが耳に残ります。でも意外とネットの噂話やチャットで話したことなど、「他人の言うことがうるさい!俺の何を知ってるんだよ」みたいなことも言っていてそりゃあ苦労してるよなあ・・・と考えてしまいました。
1つ前に紹介した『4 the youth』でも「匿名の後ろに隠れている」とインターネット上の匿名性を示唆するリリックが出てきましたし、最近のhiphopにはスマホやネットに関係するワードが欠かせなくなってきていますね。
トラックを担当したSlom(スロム)は絶賛大活躍中の若手ビートメイカーです。前月のおすすめ曲で紹介したlilboiとWonsteinの『Friends』も彼が担当していました。どこかスタイリッシュで軽快な音がおしゃれで、何より聴きやすいです。
Don Mills 『대박인생(テバクインセン) (feat. Northfacegawd, UNEDUCATED KID) (prod. IMEANSEOUL)』
大当たりの完璧な人生、好き勝手に生きる
Don Millsのこちらの楽曲は3月11日にリリースされました。
대박인생(テバクインセン)は、「大儲け人生」とか「最高の人生」という意味です。MVではDonMillsが宝くじに大当たりして大儲けしたような演出が伺えますよね、まさにタイトル通りです。客演には2月末に『Murder Dance』をリリースしたばかりのNorthfacegawd(ノースフェイスガッド)と、DJ CHARIの『GOKU VIBES』でtohjiなど日本人アーティストとコラボして韓国を飛び出して頭角を見せているUNEDUCATED KID(アンエデュケーテッドキッド)が参加。
トラックは『Murder Dance』も作っているIMEANSEOULが担当。彼はDingoの企画『かけがえのないhiphop友達DAMOIM』で注目を浴びたビートメイカーで、遅咲きながらも着実に楽曲を発表しています。個人的に現在イチオシのビートメイカーで今後も注目していきたいと思っています!高等ラッパー4のAOMGチーム『BIG BIG BIG feat.Simon Dominic』もIMEANSEOULのシグネチャーがしっかり入っていましたね。
DonMillsは過去にはPRODUCE101の2期(プデュ2)でトレーナー出演していたので、厳つい曲が多いけどアイドル好きの方にもぜひ聴いてみて欲しいです。
yuki
「テーバッ!」って一緒に歌いたくなる曲でテンションが上がるので、今や私の中で出勤ソングの定番になってしまいました。
Skinny Brown (스키니 브라운) 『지켜야해 (Protect U) Feat. Coogie』
俺と君、全部守らなきゃ。俺の番が来たから、前に進まなきゃいけない。
Skinny Brown(スキニーブラウン)の『Protect U』は、3月13日にリリースされました。この楽曲の収録されたアルバム『Berry loves My Mood』は、Skinny BrownがDaytona Entertainment(デイトナエンターテインメント)に合流してから初のリリースとなっています。今まで無所属ながらも、Hash Swan(ハッシュスワン)やLeellamarz(リラマーズ)と同じWayside(ウェイサイド)のクルーとしてアンダーグラウンドで知名度の高かったSkinny Brown。エモラップ的リリックと、TOIL(トイル)やPATEKO(パテコ)などこれまた韓国エモhiphopシーンで大人気の若手ビートメイカーたちとの制作により、日本でもとても人気がある印象です。
ちなみに、この曲のプロデュースをしてるTOILも4月はじめにDaytonaへの所属を発表しました。Waysideはみんなクワ様にお世話になるんですね。
3月リリースのK-HIPHOPの総評
今月はサムディの曲とパロアルト&ジャスディスの曲のように、何かの記念(誕生日とアルバム周年記念)にリリースされる曲が2つもあったのが珍しいなあと感じました。特に『4 THE YOUTH』に関してすごくヒットした曲でリミックスが出ることはあっても「何で3周年!?そこは4じゃないんかい」と少し思ってしまいました。どうせなら全部4で揃えたほうが腑に落ちるのに・・とも思ったり。
そして高等ラッパーがそろそろ後半戦!音源化もされてきており、IMEANSEOULのお話の際に少し記載した通りメンターたちが発掘してきた、お抱えプロデューサーと言っても過言ではない新人ビートメイカーたちが活躍し始めています。
IMEANSEOULは高等ラッパー出演者たちより10歳近く年上です。今や超大物のAOMG所属CODE KUNSTも兵役中に音楽に目覚めたというエピソードがあったりと、何かを始めて本気で食っていこうという覚悟さえあれば年齢など全く関係は無いのですが、IMEANSEOULはここ数年までずっと表舞台に立てていなかったのが現状でした。しかし、今こうして私たちは番組や先輩アーティストを通して新しい才能同士が惹き合う瞬間に立ち会えています。優勝を賭けた新人の本気の戦いに、正直ベテランでも超売れっ子でもなく「最近出てきた人」を当てがっている訳です。これは「ちょっとやってみろよ」くらいの感覚ではなく、本当に信頼して実力を認めている証だと私は思います。仮に「ちょっとこのビートくれない?」くらいの気持ちだったとしても、聴く側からしたら十分素敵な出会いだし「そう繋がったか!」とより一層燃えますよね。
また、ここに来てDaytonaやAREA(GroovyRoomが代表をつとめる新レーベル)など新設された音楽レーベルにどんどん若手が参入してきており、もうそろそろSMTMもマンネリ化・下火なんじゃないかとも言われていた韓国Hiphop業界に新しい光が差した気がしました。ソロアーティストの良いところと言えば、個人プレーが故に他事務所のアーティストとコラボしたり自分のスタイルに合わせて移籍やレーベル設立が割と簡単にできることですよね。これがアイドルグループだと、他事務所のアイドル同士のコラボはなかなか聞いたことがないし、まして脱退して一人移籍だなんて事があったらグループ存続の危機になってしまいます。
どんどん新しいアーティストが出てきて、才能ある人で溢れかえってきてしまっている韓国hiphop!まだ2021年は始まったばかりです。4月も各事務所の動向が楽しみですね!