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夏に聴きたい!2010年代の銘KHIPHOP 5選

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夏に聴きたい!2010年代の銘KHIPHOP 5選

Still (feat. Crush) – Loco

ここでちょっとクールダウン。『Still (feat. Crush)』は、自分が音楽活動をし始めた頃と今の環境を比べながら過去を振り返る、トロピカルでハッピーな雰囲気なのに歌詞は切ない晩夏ソング。「내 손을 잡아줬던 너의 미소 (僕の手を握ってくれた君の笑顔)」という歌詞から、思い返しているのは過去の恋愛だととれる。しかしこれは個人的な解釈だが、離れていく古株のファンを懐かしく思うことも書かれているため、私はなんとなく支えてくれた人たちへのラブレターのようにも感じた。人間同じものをずっと好きで趣味として追っていくことは強制ではないし時間も労力も限界がある。それはアーティストも分かっていることだろうが、私たちファンはそれについて勝手に申し訳なく思ったり出過ぎた憤りを感じることもある。いつか自分も好みが変わって、栄枯盛衰とまでは言わないが、彼らを過去の人として認識するようになるのかなと考えてしまう。そんなファン心理に寄り添っていつでもここにいるからと言ってくれるのは、安心感に似た、胸にくるものがある。

MVもコンサートの様子が収録されているが、きっと生でライブで聴いたら泣くこと間違いなし。尚、終盤のCrushのバースでクリスマスの思い出を振り返るターンがあるので、クリスマスにもぜひまた聴いてください。MVは冬服だし、冬ソングでも全然大丈夫。

How You Doin’? ( feat. DEAN ) – Dynamicduo

ChoizaとGaekoから成るHIPHOPデュオのDynamicduo。90年代から(別名義で1999年から)活動してきた彼らは最早大御所と言える代になってきている。そんな彼らは歌手として幾度となく夏を経験してきているため、『Blue (feat. Crush & SOLE)』や『Baaam (feat. MIZIE)』など、夏の定番曲をたくさんリリースしてきた。

今回紹介する『How You Doin’? ( feat. DEAN)』は、2015年にDynamicduoが約1年半ぶりにアルバム[ Grand Carnival ]をリリースするにあたって、何をしてきて調子は良くも悪くも…まあ良いほうかもね、みたいな近況報告の曲である。私が特にグッとくる部分は、「어둠은 의식하되 눈은 밝은 쪽만 향하지 (闇は意識しつつも、目線は明るいほうだけ見ている)」や「바보처럼 깔깔 웃지, 속으론 칼 갈어( 馬鹿みたいにケラケラ笑う、心の中では刃を研いでる)」などの能ある鷹は爪を隠す的なリリック。最近どう?なんて厭き厭きするありきたりな言葉に当たり障りなく状況を教えてはくれているものの、この頃にダデュに久々に会ってちょっかい出したなんて人がいたら聴いてゾッとするだろうなと思う。

直接夏とはあんまり関係は無いが、お盆に知らん親戚に会う時や帰省であんまり思い出の無い同級生に出くわした時などにぴったりだし、ビートは陽気で夏らしくDEANの声も麗しいので選出。[ Grand Carnival ]はダデュのスキルフルさが輝くアルバムとなっているので、是非通して聴いてもみてほしい。

まとめ

さて、ここまで2010年代の夏に聴きたいK-HIPHOPを5曲、おすすめのシーンに合わせて歌詞も引用しつつ紹介してきた。この年代は音楽サブスクサービスが現在の形に整えられていく過程の年代。それ以前の円盤で1つの作品としてアルバムを完成させて聴かせることに非常に特化していた時代との中間地点である。そのため、前述した[24 : 26][Summer Grooves]など、夏ソングばかり集めて真っ只中にリリースされたアルバムも今よりも豊富であると感じる。ぜひ気に入った曲があったら、アルバム単位でも楽しんで頂きたい。

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